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まどろみ日記
主にヘタリアについてモゴモゴ語り。 他、日常的な事もモゴモゴ
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視界に映る全てのものが白く見えて、自らの吐き出す吐息さえ霞んで見えた。

頬に冷たく降りかかる白銀の粉は、依然降り止まず注ぐ。まるで自分の心に積もって積もっていくように…

手を伸ばしても誰も居ない世界で、諦めと絶望に身を委ねるつもりで瞳を閉じる。ズッシリと重く下りゆくそれが完全に閉じる前に、視界の隅で馬の姿を捕らえた気がした。
 それはあまりにも速すぎて、彼は気付かなかった。駿馬で駆け寄ってきた者の存在を。

 

死者のように雪原に横たわる彼の腕が、ふいに力強く引き上げられる。驚いて見上げると、鋭い笑みを浮かべた男が、いた。笑っているのに、瞳は激しく怒っているようにも見えた。

「誰だ…」

「……」

尚も掴まれ続ける腕を睨みながら、男に叫ぶ。野党の類には思えず、困惑と疑心が心に渦巻く。

「いい加減離せ……このっ!!」

「死んでいるとばかり思っていたが、生きていたのか。」

ことり、と呟きを洩らす男の瞳が、笑った。悪寒を感じて必死に戒めから逃げようと腕をバタつかせるが、一行に掴まれたまま、握られた手首が痛む。

「し、死んで…」

「いると思ったのなら何故関わってきた?とでも言いたげな瞳だな。」

「なっ!?」

言わんとしていた言葉を続けられ、思わず言葉をなくす。そんな相手の様子も全く介せず、男は視線を向け続けている。

「…俺に何か用なのか?」

 盗られて困るものなど一切持っていない。剥がす価値もない身ぐるみだという事くらい、一目見れば分かるくらい貧相な格好をしているのだ。大体、この男の身なりからして、野党の類ではありえない。

 暫くの沈黙を置いて、ぽつりと男が口を開く。

「私は紅黎深。今日から、お前の養い親だ。」

「…………」

発せられた言葉が理解できなくて瞠目する。呼吸が途切れて、思わずむせ込んでしまう。

「冗談じゃない、他を当たってくれ。」

今度こそ、力を込めて腕の戒めを強引に解く。離れた手を摩りながら憮然と男を見る。

はっきりと拒絶の言葉を与えたのに、未だにそこに佇んでいる。何故だか笑顔さえ浮かべている始末だ。頭でも狂っているのではないかと疑い出したくなる。

「この私に拒否など出来るものか。さぁ、行こうか?」

「嫌だと言っているだろう!このっ…」

 半ば引きづられるようにして、雪原にいた少年は突如現れた男に馬に乗せられて連れて行かれた。
 静かな雪が降り積もるその日に、少年は『李
絳攸』へと生まれ変わった。

 

 

 

 

それから黎深は適当な所に宿を取り、少年を強制的に湯浴みさせた。

かじかんだ手足がほぐれていくのをボーっとした頭で感じながら、少年は自分に与えられた名を思い浮かべる。

李絳攸。

誰からも必要とされなかった自分には、名前など記号に過ぎなかった。…そもそも、名前を呼ぶ者とてなかった。それが。

「これでちょっとはマシになったな、絳攸。」

奇妙な男だが妙に親しげに(?)呼ばれると、それが本来自分のもののように思えてくるから不思議なもので。

「俺がどんな格好をしていようがお前には関係ない」

黎深はフッと笑った。

「関係ならあるさ。養い子が貧相な格好をしていたら私まで無粋な人間に思われてしまうだろう?」

「気にするな。嫌がる人間を無理やり養い子にしている時点で無粋だ。」

「おや、養い子になったことを認めるのかい?」

「…別に…認めてなんか」

黎深は笑みを深くした。

「認めたくなくても、お前はここに居るしかない。どうせ行く当てもないのだろう?絳攸。お前の居場所はここにしかない。さっさと認めることだ。」

あきらめることだ、の間違いじゃないのか?

絳攸は呆れたように溜め息をつく。口ではどうあっても敵わない相手らしい。反論するだけ無駄だと悟った。

 

  

  

その夜、宿を訪ねて来る者があった。

明らかに身分の高い男と薄穢い身なりの子供との二人連れが来ていないか、付近の宿を聞き込みして回っているらしい。

店主は何も言わず首を横に振る。前金と口止め料を多めに支払ったのが功を奏したようだ。

「もう、追っ手が来ているのか。…少々まずいな」

 

 

 

 絳攸が朝起きると黎深はもう起きていて、なにやら含んだ笑顔で近寄って来た。

「おはよう、絳攸。早速だけど、これに着替えて。」

「……ん?…何…」

 寝惚け眼をごしごし擦って、黎深の差し出した衣装を見直す。

「……なっなんだこれは!こんなもの着れるかー!!」

 黎深が手にしていたのは、女物の衣装が一着。

「身を隠すことは必要だろう?お前は追われているのだから。」

「…っ…何故」

「何故知っているかって?私はお前の父()(たい)(よう)を知っているからね。尤も、お前は覚えてはいないのだろうね早くに亡くなってしまったから

「…父を…」

()(たい)()。それがお前の本当の名前だったな。忲陽から聞いたことがある

 

 

 

忲千の父、忲陽は地方の役人だった。璃家は代々役人の職に就いてきた家系で、忲陽も役人として堅実に働いてきた。まあ、いろいろあって、黎深と友達になったけどまたなんかあって罪を被せられて死んだっつーことで。説明めんどくさいし。

 

 

 

「という訳で、着なさい。」

有無を言わさない笑顔で近づかれて、徐々に逃げ場をなくす。それでも尚、懸命に逃げ道を捜し視線をめぐらせながらも壁に追い詰められてゆく。

「絶対に嫌だ…!!大体、変装なら女の格好じゃなくてもいいだろうがっ!!」

自らの指し示す先にある、不必要にヒラヒラした装飾の服。女人の服にしても、それは『とても可愛らしい』部類に入るモノだった。何処からこんなもの仕入れてきたんだ…

 

「面白いからに決まっているだろう。何、心配はいらない。お前ならきっと似合うはずだ 絳攸?」

 

  

このあと女装大会に出て優勝するまでの色々を描いておくれー(笑


 


 




っつー、彩雲国物語の2次創作。

絳攸が黎深に拾われた時の話を友達と合作で考えてたんだけど、うっかり長い期間放置してたら原作で拾われ話が書かれちまったって話(笑
雪景色の中で拾われたってのは、今までの巻で判明してたからなのかハタマタ偶然なのか一緒ですね。後はもー全然違いますけどね。絳攸の名前と父の存在と名前やらも勝手に作ってるし
加えて、まさかあんなちっこい年齢で拾われたとは思ってなかったしな。驚いたぜよ
何処がサラサ担当で友達が担当したのかはナイショです☆移転前のサイトの小説見たことがある方なら分かるだろうなー
明らかに描写等違うので分かりやすいとは思いますが。
出だしからと、という訳で着なさい、からがサラサ担当です。 

というか、描きかけの下書き状態なんで、友から私へのメッセージなんかも織り交ざってますね。『説明めんどくさいし』とか、もうちょっと頑張れよ友よ!!
この展開から行くと、どうも女装大会に出場した話へ持って行きたかったっぽいですた。原作でチラリと話が出てて猛烈にどんなんだったんだろうね、読みたいよねーと騒いでた記憶がある。

そんな事はいいから原作なんだよ。絳攸こうゆうー!!ちょ、『黎明に琥珀はきらめく』まだ途中までしか読んでませんが(勿体無いのでじっくり堪能しながらvv)
俺は、タンタンすきーになる前は、絳攸が 大好きだったんだ!!最近出番なくて寂しかったけど
タンタンが出番なくなったので心の隙間を埋めてくれ(マテヨ

久々に、これの続き描いてみようかな。
てか アニメも久々に見たけどタンタン役って……勝杏里さん?ガタブルフブル
しょえー毛嫌いしててすんません。だってライル嫌いなんだも……!!!しかしタンタンの声すっきー愛してる思ったことだだ漏れおバカさん♪
2シーズンが39話で終わったようで、丁度それを見た…
黎明に話が追いついてた。そんで うー様がちょう可愛かったぁぁぁぁ!「しゅぅぅじょぉおおぉ」って!!って!
モコモコうー様大好きなんですけど(´□`。)°原作で死線漂ってて怖いよぉぉ…

拍手ぱちぱち有難うございますv

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